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個人への融資と法人融資の違い
個人で不動産を購入するのと法人で不動産を購入するのでは、主に税制面で大きな違いがあることは、以前にお話しました。
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先日、中古物件の現地調査にいき、様々なパターンでシミュレーションした結果、
税制面だけでなく、法人と個人では、融資の条件も大きく異なるため、
法人で購入するのか、個人で購入するのかでかなり収支のシミュレーションが変わってくることがわかりました。
融資の条件違いでの、驚きのシミュレーション結果
今回検討したのは、平成初期築(法定耐用年数切れ)、価格は2000万円ほど、6室で表面利回り12.48%の物件でした。
物件を案内して下さった業者さんの話を参考にすると、
法定耐用年数切れの木造物件に対する融資は、今の市況では
- 個人の場合→某銀行で、金利3.3% 29年
- 法人の場合→公庫を狙って、金利2.1%前後 15年
という融資が一番可能性が高いということでした。
この物件の収支を個人と法人それぞれでシミュレーションしてみると、以下のような違いが出ます。
ケース1 個人で買う場合
- 元利均等返済
- 金利は借入当初3.3%
- 返済年数29年
- 満室想定、個人の年収は500万円くらいと想定
この場合、月々のキャッシュフロー(税引き後利益ー返済元金+減価償却費)は、初年度8.7万円ほど。
4年の減価償却が切れたあとは、月々4.6万円ほどになります。
ケース2 法人で買う場合
- 元利均等返済
- 金利は借入当初2.1%
- 返済年数15年
- 満室想定、法人税率 800万以下で31%と想定
この場合、月々のキャッシュフロー(税引き後利益ー返済元金+減価償却費)は、初年度4.8万円ほど。
4年の減価償却が切れたあとは、月々6000円ほどになります。
金利と返済年数が違うだけでこんなに違う!
最近の私の方針として、この手の築古物件は、法人で3期以上の実績を作るために購入したいと思っていたのですが、
以上の計算を経て、さすがに返済年数15年の法人融資では危険だと判断しました・・・。
利回りをお伝えしたので計算すればわかると思いますが、この物件の賃料からすると、4年の減価償却期間が終了したあとは1室でも空室になればアウト。
減価償却期間中でも、広告費などの一時出費を加味するとかなりスレスレです。
個人の融資条件(3.3%29年)ならば、比較的余裕を持って運営できる物件ということになります。
ちなみに、こういったシミュレーションには、無料ツールのマネログがおすすめです。
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不動産投資は買った時点である程度の勝敗が決まっている
この物件をもし1800万円にまで指値出来たとしましょう。
すると、法人融資の条件でも以下のような結果になります。
この場合、月々のキャッシュフロー(税引き後利益ー返済元金+減価償却費)は、初年度5.6万円ほど。
4年の減価償却が切れたあとは、月々1.7万円ほどになります。
もちろんこれでも減価償却が切れると1空室で赤字となってしまいますが、先ほどのシミュレーションに比べると大きく改善されました。
結局「安く買う」ことが正義
シミュレーションするとわかりますが、これが、金利を数%下げたところでここまでの改善には至りません。
融資の条件をメインに話を進めてきましたが、結局不動産は安く買ったもん勝ちの側面があります。
全ての瑕疵は価格に収斂されるのです。
複数物件持って分散する必要性
ちなみに、こういった物件でも、同じ法人で複数棟所有して、一時的な空室による赤字を他の物件の黒字でカバーできれば良いという考え方もあります。
また、減価償却期間が切れる前に売却してしまうというのも一手です。
収益不動産は5年以内に売却すると税金がべらぼうに高いのですが、結果プラスになるような売却益が見込める場合などは、戦略的に売ってしまうというのもありです。
私もこのようなことを加味しながら、今後の取得物件を検討していきたいと思います。