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銀行評価>売買価格の中古物件
先日、昭和終わり頃築の軽量鉄骨造築古物件の現地見学に行ってきました。
千葉県の主要駅から徒歩20分ほどの2DKの物件で、6戸中3戸空きという状況。
普段、徒歩15分以上の物件はまず見ないのですが、この物件は最寄り駅がパワーのある駅だったということと、何より銀行評価額が売買価格を上回っていることがポイントとなり、現地を見に行きました。
ただし、ここで重要なのは「銀行評価=積算評価ではない」ということです。
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インカムゲインは期待できるものの・・・
ちなみにこの物件は、満室になれば利回りが10%以上で、今の市況だとなかなか悪くない利回りでした。
駅から離れているものの、バス便もあり、駅自体に力がある地域のため、
総合的に判断すると、最低限のリフォームさえ施せば客付けには困らないだろうという判断。
月10万円前後のインカムゲインはしっかり期待できる物件だと思いました。
利回り10%超の中古物件を見送った理由
ただし、昭和築の物件ということで(新耐震)、この物件の出口戦略は5〜6年での売却。
結論からいうと、この物件は購入を見送ることにしたのですが、その理由は以下の2つです。
- 理想のリフォーム状態まで費用を値引けない
- 積算評価(土地値)は売買価格より安い
リフォーム費用不足
まず1つはリフォームの話。
この物件は現在売主が業者で、業者側である程度リフォームしてから引き渡し予定とのことでした。
リフォーム予算は3室で200万円。
クロスは全面張り替え、部屋によってはキッチンの取替なども必要だったので、200万円でどこまでリフォームしてもらえるのかが微妙なライン・・・。
リフォーム業者は安かろう悪かろうでは意味が無いので、その業者さんがお付き合いのある信頼できるリフォーム業者に任せる方向で良いと思ったのですが、
やはり内見の結果の希望リフォーム内容(和室をクッションフロアに変更するなど)を満たすには予算不足であり、購入後の手出しが必要そうでした。
その追加リフォーム費用分まで値引ければいいのですが、その交渉は難航しそうでした。
積算価格が安い
そして最終判断の要となったのはこちらです。
最初に書いた通り、この物件はある銀行の評価が売買価格を上回っているということで見に行きました。
ですが、ある銀行の評価というのが、良い方向へ掛け目が入っていて、
相続税路線価ベースの積算価格は売買価格を数百万円下回っていたのです。
昭和築の軽量鉄骨造なので、建物の法定耐用年数は勿論切れています。
最終的には土地値での売却になる可能性を考慮すると、いくら銀行評価が売買価格を上回っているとはいえ、出口に安心できないと考えました。
試算したところ、最悪5〜6年で土地値で売った場合、インカムゲインで儲けた分をキャピタルロスで失ってしまうほどでした。
中古物件は「買った瞬間売っても利益が出る」くらいが安心
結論からいうと、法定耐用年数切れの中古物件は、やはり土地値で買うくらいが安心です。
言い換えれば、買ってすぐ売っても利益が出るくらいが理想。
勿論、そんな物件には何らかの問題があったり、そもそも多くないことは分かっています。
譲渡税などを考慮して、多少ロスするのをインカムゲインで賄える程度の利回りであることも必須です。
短期(5〜6年)での売却を固く見据えている場合、ここを外して築古への投資は難しいな、と実例を通じて学んだ例でした。