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アラサー女子大家 シルクです。
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賃貸併用住宅(収益マイホーム)とは?
「賃貸併用住宅」とは、自宅の一部に賃貸住宅を設ける住宅のことです。
私が普段お金の教養を学んでいる「ファイナンシャルアカデミー」では、「収益マイホーム」と呼んでいます。
賃貸併用住宅のイメージは、戸建てあるいはアパートを一棟を購入し、1階部分は小分けにしてアパートとして貸し出し家賃収入を得て、2階部分の広い間取りを取った部屋に自分たちが住む、といったイメージです。
建築プランは様々なので、戸建てタイプ、アパートタイプ、間取りなど色々なパターンがあります。
家賃設定次第では、月々の家賃収入で住宅ローンを返済できる(自身のサラリーからローンを返済する必要がない)という夢のような賃貸併用住宅。
マイホームを建てる、購入するならば一度はどんなものか勉強しておきたいものです。
それぞれのメリットとデメリットをまとめてみます。
賃貸併用住宅のメリット
- 家賃収入を使って自宅の住宅ローンを返済できる
- 不動産投資のアパートローンより、住宅ローンは金利が安い
賃貸併用住宅の最大のメリットはこれらです。
ローンについては、「自宅部分の面積が総面積の51%を超えている」と金利の安い住宅ローンを利用することが可能になります。
実際の例を考えてみましょう。
2階建ての賃貸併用住宅を建て、5,000万円の住宅ローンを組んだとします。
住宅ローンは金利が安いので、金利1.5%の35年ローン(元利均等返済)で計算すると、毎月のローン返済額は153,092円。
1階部分を単身者向けのワンルームとして3部屋賃貸として貸し出します。
1部屋6万円の家賃だとして、月々の収入は18万円。
ローン返済は15万円以下なので、18万円の家賃収入から返済すれば全く自分の給料からローンを返済する必要がなく、何ならお釣りまでついてきます。
35年間、自分の懐からお金を出すこと無くマイホームに住めるなんてまるで夢のよう・・・?!
メリットしか無いように思えますが、きちんと考えなければいけないデメリットも紹介します。
賃貸併用住宅のデメリット
- 賃貸部分の空室リスク(立地が限られる)
- 賃貸運営のための維持費がかかる
- マイホームの一部に他人が住むことを許容しなければならない
- 一般の住居に比べて価格(建築費)が高い
1. 賃貸部分の空室リスクと立地
デメリットの1つめが一番のポイントです。
不動産投資を考えたことのある人ならばすぐにぶち当たる「空室リスク」。
先程の例では、満室想定で18万円の家賃収入でしたが、もし1室でも退去すれば家賃は12万円になります。
それならまだしも、最悪全部が空室になれば、毎月15万円のローン返済を全て自身の懐から行うことになります。
潤沢に給与や預金がある人なら良いのですが、家賃収入を当てにして大きめの額でローンを組んでしまった場合、最悪ローンの返済ができなくなるという失敗が起こりうるのです。
そして、このような自体を避けるためには、賃貸需要がしっかりある立地で家を建てなければいけません。
ファミリー向けの閑静な住宅街では、単身者の入居希望者は少ないかもしれません。
自分たち自身が車利用が主なファミリーだとしても、単身者向けの住宅を兼ねている以上、駅チカでないと空室が埋まりづらいなど・・・立地選定が難しいところです。
2.賃貸運営のための維持費がかかる
このあたりは不動産投資を勉強すればすぐに分かることですが、賃貸住宅を運営するのには維持費がかかります。
最も大きなものは、家賃集金などの管理費、入退去に伴うリフォーム(クリーニング)や、入居者募集時の広告費(AD)などです。
日々の家賃集金は、いくら同じ家に住んでいるとはいえ、自分自身で行うと、万が一の家賃滞納時など入居者の方とトラブルになる可能性があるのでオススメ出来ません。
そして、大きいのが入退去時。
入退去がある度に、クリーニング費用と募集業務報酬のADだけで、家賃の1室×2〜3ヶ月分のお金は簡単に吹っ飛んでいってしまいます。
勿論、その分はマイホームのローン返済の当てにすることはできません。
最後に、忘れてはいけないのが固定資産税や都市計画税。
家を買ってからかかるお金は、住宅ローンだけではありません。
物件の清掃などはマイホームを兼ねているので個人で行う方が多いかと思いますが、そこも一般のアパートでは専門の業者が行うべき仕事。それ相応のしっかりとした管理が求められます。
3. マイホームの一部に他人が住むことを許容しなければならない
ここも悩ましいところです。
自身が大家である以上、どんな人が入居するかは選ぶことが出来ますが、入居者を選り好みしていては家賃収入が得られないので、とにかく空室を埋めることが大切になります。
不動産投資の場合は、極論そこに誰が住んでいようが自分が関わることはありませんが、自宅となると数日に1回くらいは顔を合わせることもあるでしょう。
外国人の方や、生活保護受給者の方、超高齢の方など、一部の大家さんが入居を断るような入居者さんでも、積極的に受け入れてご近所さんになることを厭わない人でないといけません。
4. 一般の住居に比べて価格(建築費)が高い
建築プランは様々で、立地にもよるので一概には言えませんが、建築費はとにかく高いです。
単純に、賃貸用の部屋それぞれにドアやトイレ、お風呂などがありますし、普通の住宅とは間取りも仕様も異なります。
一例として、
「自宅部分が70㎡で賃貸部分が20㎡×2部屋」・・・5000万円~
「自宅部分80㎡+賃貸部分20㎡×4部屋」・・・7000万円~
ですが、賃貸の部屋数がある程度多くないと空室リスクが高まりますので、リスク分散のためにも部屋数が多めに必要です。必然的に、総工費が高くなる傾向にあります。
以上の理由から、賃貸併用住宅を中古で探すというのも一手です。
ただし、市場にはまだまだ賃貸併用住宅自体が少なく、理想通りの立地、広さ、間取りの物件に出会うことは難しいかもしれません。